
まずは誤解のないように五十肩というのを説明させていただきます。
五十肩は広範囲の身体の問題が考えられます
五十肩(ごじゅうかた)
50歳の方の発症が多いのでそう呼ばれる俗語です。病名でも・医学用語でもありませんが、
医療関係者でも患者様たちにイメージされやすい言葉として多く用いられているのが現状です。
腹痛 というのと同じニュアンスですね。
五十肩は、肩関節周辺でなんらかの原因で炎症が起こります。
そして炎症が治まるころ(約2週間)には、関節の拘縮(こうしゅく)問題が始まります。
これは、関節を接着剤で固めた状態とでもいいますか、
正常な動きの3分の1程度の動きしかなくなってしまうことが起きてしまい、
無理に動かそうとすると激痛が走ってしまいます。
【お医者様から五十肩と診断されました。】
と言われても、
炎症が7・8種類の原因が考えられますので、どこが原因の炎症なのかを特定しなければなりません。
たまに、一回の治療で五十肩が治りました!!とのお話を聞くのですが、
本物の五十肩は半年から1年は必要となりますので、もしそのような治療で改善するのであれば、
初めから五十肩の症状ではなかったと考えられます。
最初の頃の炎症期では夜寝れない程の夜間痛が起きますし、
それが治まったころから感じる、動かしたときの激痛
痛みが強いし、治る期間も長くかかる・・・。
どっちにしろ経験しなくていいのであれば、それに越したことはありません。
内科的要因も考えられます
危険因子には次のものが含まれます。
糖尿病、甲状腺機能低下症などの病状
脳卒中、乳房切除術などの手術による柔軟性の低下
結核やパーキンソン病などの全身性疾患
過去の怪我の再発
などが原因で発症に至る場合もあり、
特に高齢者に多く見られますし
性別では、女性の方が五十肩を発症するリスクが高くなっています。
簡単な検査法でも確認が出来ます。
腕を横に外転(がいてん)していきます。
手の甲側が上を向くように上げていきましょう。
その結果をみて、
90度までいかない場合(真横まで上がらない場合)

少しは上がるけど、肩甲骨まで一緒に上がる場合

手が真横まで挙がりません。
要は棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋のこの4つのインナーマッスルが動いていないとこのような動作になってしまいます。
やはりしっかりと緩めてあげることがとても大切になります。
ちょっと痛みは出てしまいますが、肩甲骨のウラ側までも施術が必要だと思います。
どうしても五十肩の場合は、関節の拘縮が問題と見られますが、
筋肉は悪くなくて関節だけおかしくなってるっていうのは理論が破綻してると思います。
筋肉を完ぺきに緩めても、関節の拘縮が在りますので、そこから運動療法や筋トレも必要となります。
患者様界隈でも「これやれば一回で治る!」っていうのを知りたがるんですけど、本当の五十肩では、
残念ながらそんなのはないですよっていうのをお伝えしています。
90度以上上がっている場合
これが正しい挙げ方

肩は挙がっているのですが、肘手首が曲がった状態で動いています。

バンザイした時に肘がピーンと伸びないものは、
肘から手首までの問題があると言われます。
これも当たり前なのですが、肘から下の筋肉・関節を改善して上がることが必要です。
治るまでに長期間かかる症状ですので、他の箇所も硬くなってくるのは、当然考えられます。
上記の写真まで上がれば一応合格なのですが、
肋骨まわり、首まわり、腰までも動きの改善が必要となり、
最後の柔軟性の回復は、患部である肩ではない場合も多いです。
五十肩という症状は皆さんが想像しているよりも、はるかに大変なことが起きてしまいます。
激しい痛み・長期間の運動制限・生活の注意改善など多岐にわたる問題が多いことです。
出来ることなら普段から血行不良からくる炎症を起こさない為にも、
適度な運動や、リラックスできる方法を生活の中に組み込んで頂ければ、
発症の確率を下げることは可能です。
日々の生活の積み重ねの疲れによるのもが多いですので、メンテナンスをしっかりと行ってください。